社会福祉法人 萩市社会福祉事業団 -住み慣れた地域で、いつまでも安心して暮らせるような地域社会づくりを目指して-

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私たちが大切にしているもの

 萩市では高齢化が著しく、山間部でもその流れは顕著で過疎化に歯止めがかからない現状です。日用品を買うにも苦労する中にあって「やまびこ」はこの地域の貴重な社会資源として機能し、地域を支える一助となっています。

 

 住み慣れた地域にデイサービスがあることは、それだけで重宝されることが多く、顔馴染みの方との再会で旧交を温める場になったり、隣近所の方々が一同に会するサロン的な役割を果たすこともあります。女性ご利用者同士が、朝、顔を合わせた途端にワイワイと賑やかに会話を始められる姿は、さながら女学校時代の一瞬を垣間見ているようで、タイムスリップしたような光景が広がります。

 また、ご高齢の方々やお一人で暮らしている方にとっては、デイサービスが外出の大切な機会となり、閉じこもりの予防や体調の維持・管理、安否確認として効果を発揮しています。

 

 そんな「やまびこ」で私たちが大切にしていることは、脳の活性化を目指した、活気と賑わい、笑顔の創出です。例えば、起立訓練やゴム体操、嚥下体操などの運動系プログラム、回想法を取り入れた歌声喫茶(※現在はコロナウイルス感染防止のため休止中)は、大きな声を出し、自然と元気になります。

 

職員総出で盛り上げるレクリエーション(職員が様々な趣向を凝らした手作りゲームが多くあります)は、ご利用者も職員もハッスルしすぎて疲労困憊することもあります。

 

 

季節のイベントや外出行事も開催しています。これら様々なプログラムに参加し忙しく過ごされる方、ご自身のペースでゆっくりとマイペースに過ごされる方、皆さんにそれぞれの一日を過ごしていただいています。

 

 もちろん、このような雰囲気に馴染めず、続けて利用されなかった方々もおられ、その方の想いを理解できていただろうか、提案の仕方が間違っていなかっただろうかなど、自らを反省しながら現在もサービスの向上に努めています。

 

 

 一方、田万川に位置する「うたたね」は、古民家を改修したぬくもりある空間です。定員10名の小規模ならではの特性を活かし、一日、のんびりとゆっくりとした時間が過ぎていきます。まるで知人宅で過ごしていただくような、どこか落ち着く雰囲気、慣れ親しんだような空間で一日を満喫していただいています。

 

 「うたたね」の最大の特徴は、その日の天気や雰囲気、ご要望などによって活動が変わること。天気が良ければ庭の野菜や裏山の山菜を収穫し、昼食の食材にしたりおやつを作ってみたり、桜や菜の花などが見頃と聞けば、弁当を用意して出掛けてみたり・・・。良く言えばサプライズ、悪く言えば行き当たりばったりです(笑)。

ですが、それこそが、生活の延長。気負うことも無理をすることもない、改まる必要のない、友人達と過ごすような自然な一日だと思うのです。

 

 

 人生百年時代と言われる現在。ですが、そのうち何年間を気持ちも体も元気に過ごすことができるでしょうか。年を重ねることで、定年や体調不安、大切な人との別れ、年齢と共に喪失体験は増えていきます。若い頃のように希望にあふれ、前向きに生活することが難しくなっていく・・・。必ずしも望んでデイサービスを利用される方々ばかりではありません。様々な理由や環境により利用せざるを得ない方々が多くいらっしゃいます。

 

 「やまびこ」「うたたね」は、様々な状況の方々が、ひとときでも楽しい、幸せだと感じていただけるような場でありたいと思っています。その方その方に人生のストーリーがあります。「やまびこ」「うたたね」を通して、私たちはその方々のストーリーの出演者となり、その方々と関わらせていただきます。その方々のよりよい生活、人生を演出できるよう努めたいと思っています。自らのサービスを、その都度その都度振り返り、時にお叱りを教材としながら、これからもよりよい共演者であることができるよう励んでいきたいと思っています。

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